「音楽活動」の最近の日誌
うちの近所は、祇園祭の鉾が立ち並び、すっかりお祭り気分です。
その祇園祭宵山の16日。毎年恒例となっております、京都ブライトンホテルでのリレー音楽祭に出演します。今年で第14回。毎年出ているということは、と考えると、少々恐ろしくもあります。(笑)
今年は、16日と24日、2回出ます。
16日は筝の西陽子さんがメインで、私はゲストという感じかな。
プログラム。まずは、西さん率いる女性4名による筝四重奏で沢井比河流「アルカディア」。続いて、西さんと私とのデュオで野田雅巳「ボスポラス橋」。そしてメインは、筝四重奏、マリンバ、ピアノ、パーカッションによるラベル/野田雅巳編「ボレロ」です。
しゃなりしゃなりとした、いわゆる「お琴」のイメージをくつがえす西さんの演奏、かっこいいです!
無料がうれしい、ブライトンのリレー音楽祭。是非お越しください。
それから、あの、えっと。愛用しているPC「Macbook」。マリンバのくせでつい勢いよくキーボードを叩くせいか?!ここ数日で、壊れてしまったようです。中身は無事っぽいので、そんなに悲壮感はないのですが...使い慣れないちょっと古いvaioで更新。う~ん、写真の入れ方がわからない。その他、いつもと様子が違ったら、ごめんなさい。
10月23日、京都府立府民ホールアルティで開催の「通崎睦美リサイタル~木琴とマリンバ2009」チケットが本日発売です。すぐに完売ということはないと思いますが、このコンサートでは楽しいおまけがついておりまして、そちらの方は限定60枚となっております。
おまけ、というには、ちょっと贅沢なのですが、当日の演奏曲をモチーフに作られた京菓子司「末富」特製の和菓子とドリンク(珈琲か紅茶)がアルティ内のカフェでいただけるというものです。セットで1000円(税込み)です!コンサートのチケットは「ぴあ」や「ローソン」でお求めいただけますが、この御菓子のチケットは京都音協075-211-0261、アルティ075-441-1414のみでの前売りとなっております。
御菓子はお皿にのせるのではなく、持ち帰れるような「お懐紙」を谷本さんに作ってもらおうと思っています....が。あっ、まだ頼んでなかった。
こちらの方ご興味もっていただける方は、お早めに!
コンサートに関する詳しい情報は、このPDF谷本さん作の仮チラシにてご覧ください。
久しぶりに弾く曲や新曲など、結構ハードなプログラムでしたが、びわ湖ホールでのリサイタル、無事終了しました。
実は、チケットがあまり売れていない、と聞いていたので「平日の午後だもんなあ...」と思っていたのですが、7月にはいって突然売れ出したそうで、結果たくさんの方が来て下さいました。これは、びわ湖ホールの公演としては異例のことだったようです。私自身ぎりぎりにならないとエンジンがかからない性分なのですが、聴きに来て下さるお客様も、同様なのでしょうか(笑)聴きに来てくださったみなさん、ありがとうございました。
びわ湖ホールの担当の方からのメールにはこんなことも書かれていました。
「おしゃれなお客様が多くて、私たちも楽しませてもらえたとロビーにいた職員が申しておりました」と。お客さまがほめられるとは!うれしいですね。(笑)
今回はびわ湖ホールの主催公演だったので、前日は、会場でリハーサルさせていただきました。この会場は、響きがよいと評判のホールです。確かに、弦楽器のソロなんかだと、最高なのだと思います。が、マリンバにとって、とりわけ今回のプログラムにとっては、響きすぎてむずかしい場所でした。普通に弾けば「自分の音」というより「ホールの音」になってしまいがちなのです。もちろん「ホールの音」はよい音なのですが、長い残響の心地よい音ばかりでは音楽が作れない。でも、そういう時こそ、燃えます(笑)
もちろん、時間がなければないなりに、対応するのが常ですが、前日のリハでは「納得のいくまでどうぞ使ってください」と、約束の18時を過ぎても、ホールスタッフのみなさん笑顔で対応してくださり、ドーナツの差し入れまで持ってきてくださり!その結果、自分なりのコレ、というポイントを見つけて演奏することができました。こんな風に対応していただけることはめったにないので、港さんと二人で、ほんとに感激しました。「笑顔とドーナツ」これ、大きかったです。びわ湖ホールスタッフのみなさんの「さりげない熱意」は最高!でした。
そうそう、館長さんも客席で聴いてくださり「アンコールの拍手、ああいうのはこのシリーズでめったにないです」って。
今回は、客席の評価が高かったような。(笑)
終演後、楽屋にて港さんと。 撮影は、西邑さん!
「オーケストラ」と「定年」は、普通あまり結び付かないイメージかと思いますが、もちろんオーケストラにも定年退職の制度があります。
昨夜の京都市交響楽団の定期演奏会は、打楽器の名プレーヤー奥村隆雄さん京響メンバーとして最後の演奏会でした。音色、音程、タイミング、どこからみてもセンス抜群!「これしかない」と思える音楽を聴かせていただきました。
例えば、ピアノだと楽器のメンテナンスは調律師に任せる部分が多いですが、ティンパニという楽器は、自分で太鼓の皮を張り、ペダルで音程の調整をするという点で、楽器そのものをあやつる技術も必要です。奥村さんは、矢竹を加工してバチも自分で作っておられたし、そのあたりの職人気質のようなものも含めて天才的だったのだと思います。
それにしても、奥村さんは若い!
これからもフリーのプレーヤーとして、どんどん活躍していただきたいです。
ところで、京都市で公立小学校に通う子どもは「音楽鑑賞教室」で、必ず京都市交響楽団の演奏を聴きます。私は、子どもの頃からマリンバをやっていたこともあり、京響の打楽器のみなさんの顔は小学生の頃から覚えていました。
堀川高校音楽科で教えていただいた村本先生、そして後に一緒に仕事をさせていただくようになった北川さんや奥村さん...
昨夜で、当時おられたメンバーが全て退職されたことになります。
まさに世代交代を感じました。
楽屋の出入口には寒い中、一言「おつかれさまでした」を言おうと若い打楽器奏者や学生さん達がいっぱいでした。
基本的に、あまりに無謀、支離滅裂でなければ、リクエストにお応えするようにしています。
なので、「悲しい酒」も弾けます。
2007年夏、マリンバ奏者の佐藤梨栄さんから日本木琴協会阪神支部創立50周年記念コンサートのご案内が届きました。ゲストは、ネイ・ロサウロと佐々木達夫。
佐々木達夫さんは主に海外で活動されているので、国内では知る人ぞ知る、という存在。でも、私にとっては「特別なプレーヤー」でした。実は、中学生の時、マリンバのレッスンで先生から佐々木達夫さん演奏のテープを聴かせていただいたことがあり、その音色にいたく感激、カセットテープをダビングしてもらい、長く大切に聴いていたのでした。その時は、よくわからなかったのですが、その音色こそが、マリンバではなく、ヴィンテージ・シロフォンだったというわけです。
コンサートでは、初めての佐々木さんの生演奏を感慨深く聴き、終演後には少しお話しすることができました。
演奏会の後しばらく佐々木さんのシロフォンは、神戸の佐藤さんのお宅に保管されているとのこと。佐藤さんから「佐々木さんの了解も得ているので、是非」とお誘いいただき、お邪魔することに。
その楽器は、平岡モデルと同じ機種「DEAGAN ARTISTS SPECIAL XYLOPHONE No.264」 。フレームは違うものの、鍵盤の「顔」は同じ。まるで「兄弟」を見るようでした。
その後、佐々木さんとも直接メールでのやりとりをするようになりました。佐々木さん曰く、これまで、シロフォンを弾く人に出会えず、ご自身が弾かれなくなったらシロフォンの時代も終わるのかなと、寂しい思いをしていたとのこと。実際シロフォンに興味を持たれた方がおられたものの、マリンバとは演奏法が異なるため相当弾きこまないと音楽作りが難しい等の理由で諦められてしまったそうです。
なので、私がシロフォンの音に魅力を感じて弾いていることを喜んでくださいました。
実は、私は弾き込むも何も、マリンバよりシロフォンの方が身体にしっくりくる、と思ったくらいで...
そんなやりとりの中で、「オーケストラをリタイアし演奏活動も少しずつ減らしていっているので...」という話しがあり、そして昨年暮「シロフォンを手放そうと思っている。あなたに弾いてもらえるなら...」とのご連絡をいただいたのです。
平岡シロフォンの鍵盤は、音色は申し分ないものの、コンサート活動で酷使した上、調律(鍵盤を削る)が繰り返されていたため、寿命を考えると不安もありました。自分がシロフォニストとしても活動していく上で、もう一台同種の楽器があればと思いながらも、「60年代頃改良の1930年代製」との条件をクリアする楽器が手に入るはずなどない、と決めてかかっていました。あきらめて新型のシロフォンを購入しようか、鍵盤を誂えようか、と検討していたタイミングだったので、こんなにうれしい話しはありません。
一度佐藤さんのお宅で見ている楽器なので、改めて試奏するまでもなく、ゆずっていただくことに決めました。
長い説明になりましたが、そんな楽器が、ようやくうちに届いたというわけです。
佐々木さんのシロフォンは調律されていない分、若干音程の狂いはあるものの、ニスもはがれず鍵盤の状態がよい。
なので、手入れのしようによっては、これからまだまだ楽器として進化を遂げる可能性を秘めているように思います。
佐々木さんは、楽器を調律することは、自身の身を削られるようでできなかったとおっしゃっています。私も一台目である平岡さんの楽器に対しては同様の思いです。でも、この2台目については、良い意味での距離があるので、それがかえってよい方向に向けられるような予感がしています。長男と二男で子育てが違う、という感じかな。それぞれの楽器にそれぞれへの愛情を注ぎ、つきあっていきたいと思っています。
みなさんにこの楽器の音色を聴いていただくのは少し先になると思いますが、楽しみに待っていてください。
佐々木さんについては、こちらで紹介記事を読むことができます。
高槻現代劇場のスタッフの方もとても気持ちのいい方ばかりで、私も快適にお手伝いさせていただきました! ホールで準備してくださったお弁当も、こころなしか上等だったような(笑)
「早速、ブログ拝見致しました。
ウール素材で、bookは可能?とのことですが、
天然素材なら、和紙で裏打ちをすれば、表紙に十分使えます。
ただ、厚すぎるものは、角の処理が難しくなります。
どうしても折り返して重なる部分が多くなるので、
盛り上がってしまうのです。
(その部分だけ、あて布をしてトンカチでとんとん叩いてやると
少しフラットになって、綺麗に仕上がります。)」
私の音はさておき、時折顔を見せる、野田さんの「ヒューマンタッチ?!な旋律」をお聴き逃しなく。
おやすみなさい。