マンドリン人生50年!
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昨日は、マンドリン奏者川口雅行さんの、マンドリンと出会って50年、そして65才のお誕生日を記念した大切なリサイタルに、ゲストで出演させていただきました。
今回は、オール・バッハ・プログラム。「フランス組曲」をマンドリンとマリンバで。「2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」はオケのパートをオルガンで、ヴァイオリンパートをマンドリンとマリンバで。ご依頼くださった当初は、音楽的におもしろくなるかのかどうか、ぴんとこない部分もあり(←何せ、オルガンという楽器が未知の世界)お引き受けしていいものかと少し迷いましたが、ハードルが高ければそれはそれで、燃える(笑)
主役の川口さん、そしてオルガンの土橋薫さん、みんな笑顔で終えられました。
ところで、マンドリンの運命とは、なかなか数奇なものです。
ヴィ ヴァルディやフンメルはマンドリン協奏曲を書いているし、ベートーヴェンもマンドリンのオリジナル曲を作曲していますが、その後一旦歴史が途絶えてしまいます。そして、そ の後楽器が改良されて19世紀になってから近代マンドリンの歴史が始まる。それからは、マーラーやレスピーギなども、オーケストラの中でマンドリンを使うようになります。ちなみに、関西でこれらの曲をやるときは、たいてい川口さんが演奏されてますね。
今は、ポップスなんかでも使われていますが、やはり日本でマンドリンといえば、合奏の形態が主流でしょうか。ソリストとしてプロで演奏活動されている方は、ほんの数人ではないかな、と思います。バロックの当時のイメージで聴くと、ほんとに高貴で愛らしい音色がします。この日の、川口さんのソロ「シャコンヌ」も素晴らしかったです。
それで、オルガンという楽器も、また奥が深い。打ち上げでは、本当に興味深くお話しをうかがいました。写真を拝見しましたが、土橋さんのご自宅のパイプオルガンにはびっくり!いや、すごいです、ほんと。残念ながらそれを移動させることは不可能なので、パイプオルガンを模倣したローランドの電子のオルガン。でも、マンドリンとの相性はなかなかでした。
リハーサルの様子。
マンドリンは身軽な楽器のはずなのに、オルガンとマリンバというリハーサルの場所を考えただけでも、頭をかかえる楽器を共演に選ばれる川口さんは、やっぱり個性派です(笑)
個性派と言えば、川口さんからお声をかけていただき、5月にはマンドリンオーケストラをバックに黛敏郎「木琴協奏曲」を演奏します。このご依頼を頂いたときも「えっ?」と思いましたが(笑)これもなかなかいいね、と言ってもらえるようにがんばります!しばらく、マンドリンとのおつきあいが続きます。
そうそう、私はマリンバというとマンドリンに間違われることがあるのですが、川口さんはマンドリンと言っているのにマリンバと間違われることがあるんだそうです。(笑)