NAXOSの功罪。
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昨日は、関西マリンバ協会創立60周年記念のコンサートを聴きに、奈良へ行ってきました。この団体は、1952年に「奈良木琴クラブ」として発足した歴史あるマリンバの団体です。
先日アンサンブル金沢でご一緒した、元読響の菅原淳さんも、この「奈良木琴クラブ」ご出身。現在60才以上のプロの打楽器奏者は、故岩城宏之さんを始め「卓上木琴」で音楽を始めたという人がかなりの数いらっしゃいます。
ピアニストや弦楽器奏者で「おもちゃ」で始めた人って、そういないと思うのですが、打楽器の場合「マリンバ」が日本に入ってきたのは戦後なので、卓上木琴はいい方で「お父さんに作ってもらった木琴ではじめた」という方もおられるくらいです。
で、このコンサート。アマチュアもプロも区別ナシ、3才から80才までの方が出演されていました。3時間以上のプログラムでしたが、みなさん一所懸命演奏されているし、ちびっ子達もかわいらしくて、結構飽きずに楽しめました。
マリンバが11台も並ぶステージは壮観です。最大25名のアンサンブルがありました!
奈良は、小川順子さん中心にこの組織、また日本木琴協会奈良支部があり、神戸方面も佐藤梨栄さんを支部長とする日本木琴協会阪神支部があるのですが、京都にはありません。なぜって?あまり聞かないでください(笑)関西のマリンバ人口(特にアマチュアの方)は奈良と神戸が突出しているのではないかな、と思います。
で、みなさん熱演でよいコンサートだったのですが、一つ、とりたてていうほどのことでもないのですが「あ〜残念」と思ったこと。それは、独奏で演奏されたピットフィールド作曲「ソナタ〜シロフォン・ソロのための」の解説の間違い。出版年が1967年のところ、作曲年が1987年となっていました。
間違いはよくあること。私自身、やっちゃった!ということもよくあるので、これ自体どうこういうわけではないのですが、これには、あ〜あ、という理由があります。
かなりマニアックな曲、普通レコーディングされないだろう、というくらいマイナーな曲が取り上げられることでも有名なレーベルNaxos。このNaxosから発売されているCDピットフィールド「ピアノ協奏曲第一番、第二番他」に、このソナタも収録されています。演奏は、なんとピアノ協奏曲を弾いているピアニスト!(早技はスゴイですが、音は間違っているし「芸」の域を出ないので個人的にはオススメできません…)
で、ここの解説に1987年出版と書かれているんですね。さらに、最近発売された若手マリンバ奏者のCD解説も、これを参考にしたと見られ、間違いが同様。この解説は奏者自身が書いておられるのですが、丁寧に「曲目解説協力」として2名の音大教授の名前が記されているので、ちょっとイタイ。
ほんとに、私も間違うことはよくあるので、データの少ない中で書く文章の難しさはわかるのですが…平岡養一(1981年没)が校訂したとして出版されている楽譜なので、それを考えれば「1987年作曲」のはずは、ない!
私が言いたいのは、ピットフィールド「ソナタ」がペーター版で出版されたのは、1967年ですよ!!!ということです。
マニアックな音楽ネタで長くなり、失礼しました!