映画「小さいおうち」の疑問
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先日観た、映画「小さいおうち」(山田洋次監督)。素敵な映画でしたが、一つ気になって仕方がないことがあります。
女中さんが奥さまの逢瀬の可能性を見抜くという重要なシーン。
この奥さま(左手)の帯の一本獨鈷(黒の縦線)。出かける際は右側にあったのに、帰って来た時には左側になっている。これは、外出先で帯をといたに違いない、と想像する、というところです。
でも、この線を逆方向にしようと思うと、テ(巻きはじめ)とタレ(巻き終わり)を逆にしないといけません。それって、普通に考えてありえないかなあ。お太鼓の部分に線がつくし、前に模様がでなくなるし….
そんなことを考えていたところ、たまたまパンフレットを入手。そこには、衣装さんによるコメントが。このシーンを実現するため、表裏同じ模様が入っているモノをわざわざ染めてもらった、と。ということは、帯のヤマが逆になるということですよねえ。反対に折らないといけない。
ますます、逢瀬の後の急いでいるときにはむずかしい巻き方になるのでは?
これが単なる女中さんの勘違い、とすると、すごいオチなんですが、そうでもなさそうですし。
原作まで確かめたのですが、ここは中島京子さんの原作通り。
直木賞受賞作「小さなおうち」。選考委員の中には、着物をお召しになる林真理子さんもいらっしゃるわけですし….
他にももっとやることや、考えるべき事があるのですが、なんとも気になって仕方がありません。自分で実験までしてしまいましたよ(苦笑)
どなたか、すかっとした解答をお願いします。