アメリカ滞在記その8
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2泊3日、NYCへのご褒美旅行。
2日目の午前中は、よく知られる人気美術館ではなく、モルガン財閥の創始者J.Pモルガン(1837-1913)のコレクションが観られる「モルガン・ライブラリー&ミュージアム」へ。
素晴らしい施設でした。
さすが、アメリカのお金持ちはスケールが違うなあ、と唖然。
混雑していないので、ルーベンスのドローイングなども近くに寄ってゆったりと観られました。
コレクションは多岐にわたります。
例えば、モーツァルトの自筆譜。この隣には、フランクのソナタが。
こちらは1600年代の刺繍製聖書カバーです。
ご興味のある方はHPを!
その後、歩いてカーネギー・ホールへ。
何人もの方に「今度、カーネギーホールで演奏する時は、絶対行きます!」と言われたので、下見してきました(笑)
立派な外観です。
ホールは3つあり、リサイタルで現実的なのは、一番小さいこのホールでしょうか。
こぢんまりした上品なホールですね。
でも、カーネギーホールのあたりは町並み・人並みが雑然とし(私の行った時がたまたまそうだったのかもしれません)私が大の苦手な鳩がびゅんびゅん飛んでいるので「リサイタル」なら、まずは展覧会とセットで、モルガンライブラリー内にある小さなホールを目指します、と表明しておきます(笑)
そして、カーネギの前のセントラルパークへ!
と思いましたが、ここも鳩が激しく飛び交っていたので、スルー。
すぐ近くの、アート&デザイン・ミュージアムへ行きました。
ボタンを観て、戸矢崎さんを思い出しました!
面白い作品もありましたよ。
でもここは、「私達アート系」という雰囲気が漂っていて、あまり居心地はよくなかったです(笑)
地下鉄に乗り、出た先はニューヨークタイムスのビル。
遅めの昼はお決まりになったマーケット・ホールフーズで軽く済ませて、
チェルシー地区へ。
楽しいマーケットです。
香辛料のお店など。
住むならこの辺りがいいかな。
とりあえず、次は、この辺りのホテルで(笑)
というわけで、丸一日街歩きを満喫。
翌日はNY在住の三村美佳ちゃん、そして、お話もしたことがないのですが、ブルックリン地区在住、着ぐるみを着て木琴を弾くことでも有名な、木琴の名手Jonathan Singerさんから、「会いませんか」と連絡をもらっていました。時間のやりくりをどうしようかと思っていたら、彼らは仲良しなのだと!
みかちゃんに迎えに来てもらって、Jonのお宅に訪問することになりました。
みかちゃんとは、彼女が大学生の頃からの知り合い。いつもコンサートに来てくれていたかわいい子でしたが、ジャズに転向して今は、立派にニューヨークで生活しています。かっこいいな〜!
木琴話に花が咲き、あっという間のひとときでした!
お嬢ちゃんとも仲良くなれて最高でした!
その後、JFKまで車で送ってもらい、木琴を携え日本に戻るため、一度Oswegoに。
ビルと3人で、美保子先生のたこ焼きで最後の晩餐!
何から何まで、お世話になりました!
翌朝、4時に迎えに来てもらい、シラキュース空港へ。
本当に、ビルには感謝の言葉しかありません。
前々日まで30度近い気温だったのに、この日乗り継ぎのシカゴは雪。
飛行機内で長時間待たされ、ギリギリに!
ターミナル1に到着、ターミナル5の税関でカルネにハンコをもらって、ターミナル1に戻って乗り換えという今回の帰路最難関。
3時間あるから余裕と思っていたのに〜〜〜〜!
雪のせいか、ターミナル間の電車は動かないし、タクシーは長蛇の列。
そこに!
なぜか暇そうに止まっているバスをみつけたのでダメモトで尋ねてみたところ、「よし!今すぐ、出発だ〜!」と私一人を乗せて、動いてくれました。
運転手のお兄さんに「なんてかっこいい運転、もっと飛ばしてね!」とチップを渡したところ、ぶんぶん飛ばしてくれて、本当に助かりました。
興奮してつい前の方に行ったら「黄色い線よりさがってくれる?」と言われてしまいました。黒人のお兄さん、私に襲われるとでも思ったのでしょうか(笑)
そんなわけで、なんとかギリギリ間に合い、成田の税関もクリアし、伊丹に!
はじめてアメリカでこの木琴の音を出したときより、スタンディングオーベーションより、楽器が無事に出てきた時が一番感動、涙がでそうになりました(笑)
以上、駆け足ですが、滞在記と楽器と共に無事戻ってきた御報告。応援してくださったみなさま、ありがとうございました。またそのうちに、写真など、アップします!
この度、アメリカでの公演に招待してくださったSUNY Oswego、そしてきっかけをつくってくださった堤美保子先生、現地での運搬からサウンドチェックまでを引き受けてくれたビルことウィリアム・ユーハスさん。各マスターコース、コンサートでご尽力くださったみなさまに心から感謝します。木琴運搬については、斉藤ファイバー工業の斉藤喬さん、内装・梱包を手伝ってくださった黄瀬剛さん、素敵なステッカーでケースを彩ってくださった谷本天志さん。パンフレット制作には、デザインの谷本さん、そして翻訳には、小笹三千代さん、Ben Beechさんのお力を借りました。video製作からNYC案内までお世話になった阿部研二さんにも感謝します。
別れ際にビルが「君がチャールダシュを弾く本当の意味がよくわかったよ」と言ってくれました。「チャールダシュは私のお守りです」と言うと、文法を直されましたけど(笑)平岡養一さんが70歳、私が10歳の時、一台の木琴で共に演奏したのがチャールダシュ。そして、固い握手を交わしたのでした。
Recalling Xylophone days ~ The Return of a Legendary Xylophone
Yoichi Hiraoka and Mutsumi Tsuuzaki
A story of Two Performers’ Destinies
第一章の完結です。次に続くのかどうかわかりませんが….
次章をお楽しみに!