本日掲載の書評。
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本日、読売新聞朝刊に藤原一枝著『さらわれた赤ちゃんー児童虐待冤罪被害者たちが 再び我が子を抱けるまで』(幻冬舎)の書評が掲載されました。
この児童虐待冤罪被害者の問題は、かつてから興味を持っていたのでした。
というのも、関西テレビの番組審議委員会でこれを題材にしたドキュメンタリー番組が審議課題に挙がり、大変印象的だったからです。
子どもが頭を打って病院に運ばれ「硬膜下血腫」「眼底出血」「脳浮腫」の診断がおりると、虐待から起こる「揺さぶられっ子症候群」であるとみなされ、虐待疑いで、児童相談所に通告される。そこで、親子が強制的に分離され、子どもは乳児院などへ。両親には行き先が告げられないまま、何ヶ月も会えないという状態が続くことがあります。
問題なのは、1960年代から、脳神経外科の専門医が「子どもがこけただけでも、硬膜下血腫がおこりますよ!」(=「中村Ⅰ型」)と言っているにもかかわらず、これが半ば無視され「硬膜下血腫=虐待」と判断されがちな状況。
裁判でも、小児科の医師の意見が採用され、脳外科医の意見が採用されない傾向にある。
そんな状況を打破しようと闘っておられるのが、小児脳外科医として50年のキャリアを持つ、著者の藤原一枝さんです。
なんと、偶然にも、アコーディオン奏者・御喜美江さんのお母さまのご親友とのことで、世の中せまい!
詳しくは、是非本書をお読みください。