明治の石版画
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ちょっと面白いものを手に入れました。
明治二十二年制作された石版画「愛嬌競」です。
発行人は、明治石版画界で著名な有山定次郎(ありやま・さだじろう)です。
この作品に惚れた、というわけではないのですが(笑)よく見ると子どもが木琴(鉄琴の可能性もアリ)で遊んでいる!明治時代の子どものおもちゃとして木琴が存在していたことを示す、貴重な資料です。この木琴のバチの形状が、江戸時代の引き札に見られる木琴のバチと同じであることにも注目です。
森鷗外は、短編小説『桟橋』(明治43年)の中で、桟橋を「こどものおもちゃの木琴」に例えていますが、明治時代の子ども達は本当に木琴で遊んでいたんですね。
木琴の歴史に興味のある方は是非、通崎睦美著『木琴デイズ』(講談社)をどうぞ!
読みたいけど、どうしよっかな、という方は、12月8日の『木琴デイズ』刊行記念トークイベントにお出かけください!
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=5574
そうそう、これまでの京都本もまとめて小さなコーナーを作ってくださっているという銀座の書店・教文館さんが「おすすめ本・12月」に選んでくださいました。書評ご担当の伊藤豊さま、ありがとうございます!
すみません、つい宣伝になってしまいました…(笑)
最後に、ご報告。
先日、募集しました「木琴教本」の頒布。たくさんの方にご応募いただきありがとうございました。これからマリンバをはじめてみたいという方、子どもの頃ミヤカワマリンバでお稽古をはじめたというマリンバ奏者の方、ずっとコピーで使っていたので原本を持ちたいという芸大の後輩など、多くの方にお届けすることができました。貴重な教本をご恵贈くださった宮川さま、ありがとうございました。