試演会
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以前は、一年に一度「門下生発表会」のような形で、会場を借りてみんなで演奏をする機会をもっていましたが、いつの頃からか私の部屋で「試演会」という名の「家庭音楽会」をするようになりました。
開催は不定期。私が「やりま〜す」と言うと都合のつく人が集まってくる、という形。椅子と座布団を並べて客席20名ほどの「会場」ですが、これが意外に緊張する空間になり、試験やリサイタルの前の人にとってはよい「試演」の機会にもなります。
先週土曜日はその「試演会」でした。今回は、大学受験の時からうちに習いに来ていた、大門(旧姓八田)由暁さんの結婚御祝いも兼ねての会。
由暁さんとの出会いは彼女が高校3年生、私が大学4年生でしたから、もう約四半世紀のおつきあいになります。年齢は4つしか違わないのですが、私がはじめて教えた「大学受験生」だったこともあり、いつまでもかわいくて仕方がないという感じです。
数年前、彼女には、大きな試練がありました。
大学卒業後、バイトをしながらの演奏活動も軌道にのっていたところ、脳の血管がもやもやになる難病「もやもや病」が原因で脳梗塞を患うことなったのです。半身が麻痺し、一時は日常生活への復帰も危ぶまれる、という状況に。でも「克服」という言葉が似合わないほどの、持ち前の明るさで大病を見事に乗り越えました。残念ながら演奏活動は諦めざるをえなくなりましたが、これまで通りの生活を送れるまでに回復し、選んだ仕事が医療事務。この度、その職場で素敵な男性とめぐりあって結婚。
そんなこんな、いろいろがありましたので、もう我が事のように嬉しいです!!!
試演会終了後の打ち上げ+御祝い会。近所のイタリアン「パスタ・フレスカ」にて。
この日もう一つうれしかったのは、『木琴デイズ』250ページに登場していただいた、平岡養一のお弟子さんでもある、林千賀子さんが試演会に参加してくださったこと。50年演奏活動からは遠ざかっておられたということですが、私の強引な誘いで(笑)素敵な演奏を披露してくださいました。左は、林さんと同じく京都芸大の大先輩にあたる佐々木百合子さん。
由暁さんも、この演奏に刺激を受けたようで「趣味でマリンバを弾くのもいいですね!」とうれしい発言。またいつか一緒に演奏できるといいなと思います。
今回の試演会には「木琴研究会」の木村百合香さんも初参加。私とのデュオで、バッハ、ピアソラ、G.H.グリーンの作品を演奏。新しい仲間も交えて、みんなニコニコの一日、となりました。