何かわかりますか?
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現在、東大阪市民美術センターで開催中の展覧会については、「着物展」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、着物以外のモノもいろいろあります!
例えばこんな小物。何かわかりますか?
展覧会場で添えているキャプションの一部を紹介します。
カラフルな切手のようにみえるのは、未使用の「書店票」シート。書店が、販売する本の見返しなどに貼って店頭に並べた。「書店票」とは意識せず、骨董市で見つけ、デザインが素敵だったのでなにげなく買ったもの。この度、シートに記された「KAWAI Book Store」「teramachi nijo kyoto」の文字を手がかりに『京都書肆変遷史』(京都府書店商業組合 1994)をあたってみると、寺町二条に1930(昭和5)~1934(昭和9)年頃から1940(昭和15)年頃まで存在した「(資)カワイ書店」のものであることがわかった。カワイ書店は、1886(明治19)年頃、河合卯之助が創業した出版社「文港堂」の後身。文港堂は後に取次店となり、1922(大正11)年からは小売部も併設。1926(昭和元)年に跡を継いだ息子の泰三の代になり、カワイ書店に改名している。1940年(昭和15)年頃に廃業し、今はない。
はい、これは、「書店票」というものです。
そうそう、と思い出してとりだした本。山本善行著『定本 古本泣き笑い日記』(装幀:林哲夫)には、この「書店票」がすっきりかわいらしく配置されています。
書店票のコレクターさんもいらっしゃるようですね。
ところで、展覧会でキャプションを読んでその文章を気に入ってくださった(←ありがとうございます!!!)という方から、このブログの「お問い合わせ」を通じて、ご質問がありました。
質問は「普段、あるいは、過去にどんな文章に触れていたか、又はお手本にしている作家がいるか」という内容です。う〜ん、むずかしいです。子どもの頃は読書嫌いでしたし…. 小説家になりたいとか、エッセイストになりたいとか、ノンフィクション作家になりたいとか! 一度も思ったことはありません(笑)こんな質問を受けた時のために、一応書棚には『芝木好子名作選』とか、置いてはいますが(笑)
でも、よくよく考えてみれば、高校生の頃、詩人になりたい、と思った時期があるでしょうか。誰かに憧れるというよりは「なりたい。」と(笑)当時マガジンハウスから創刊された『鳩よ!』を定期購読して、流行りの詩人(笑)をチェックしていましたっけ。そういえば、同じクラスのピアノ科で小説家(脚本家だったかも)になりたい友達がいて、一緒に何かひそひそやっていたような記憶もあります。彼女は自分で書いたものを村上春樹に送って、直筆の返事をもらっていました。今、オークションに出したら高く売れそう〜!
思わず、思い出話に寄り道してしまいましたが、質問の答えは「ごめんなさい、あまり文学的素養はありません」。そして言いたかったことは「着物ファンの方はもとより、着物ファン以外の方も是非ご来場くださいね!」でした。