日本郵船歴史博物館の壁紙
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今度、日本郵船歴史博物館の展覧会「日米交換船とその時代」展の関連企画でコンサート
http://www.nyk.com/rekishi/exhibitions/event/1942/index_con.htm
をするという話をココに書いていると、黄瀬さんから「もうなくなっているかもしれないけれど、以前、日本郵船資料館で、歴代の船の絵を壁紙にする仕事をしたことがある」というメールをもらいました。
早速、学芸員、海老名さんに尋ねてみたところ「かつて資料館だったところは、現在BankARTという現代美術を扱うギャラリーになっており、リノベーションされつつも、船が描かれた部屋は、壁とともに健在です」とのメールをいただきました。
一般公開はされていないのですが、講座ルームのように使われていて、講座参加者は見ることができるのだそうです。また、資料館から現在の博物館移転時には、その壁が素晴らしかったということで、それら船の絵を全て写真に撮って、壁紙に転写するという手法で、壁紙を再作成されたそうです。もちろん、その壁紙の絵は、来館者の方々に大好評なのだそうです。なにをかくそう、私も「さすが船の博物館だけあって、壁紙もかわいいなー」と思ってみていました。まさか、黄瀬さんの絵だったとは!
日本郵船の船の中には、資料が充分でないものもあったようですが、見に来られる方が実際に乗っておられた乗組員や船好きの方が多いので、マストの数や位置など適当に「絵的」に処理するわけにはいかず、大変だったそうです。 こんな写真など見ながら、絵にされたのでしょうか。
海老名さんによると「縮尺が、ちゃんと全て1/1000にそろっているのも圧巻。」とのことです。
黄瀬さんは、傷んだ平岡木琴の足を本物そっくりに作り替えてくださったり、367のリノベーションでは、鉄製棚からローズウッド製スイッチカバーの制作まで。いつも、作家性と職人性がほどよくまじりあうクオリティの高い仕上がりを提供してくださいます。こんなところにもソレがあったんですね。
黄瀬さんの仕事は、あえて残さなければ名前が残る仕事ではないのかもしれませんが「名前だけ」で仕事をしている人が多い昨今、本当に貴重な存在ですね。
BankARTのオリジナルは見られないかもしれませんが、日本郵船歴史博物館のオリエンテーションルームの壁紙を鑑賞し、氷川丸に移動。「あの壁紙の絵を描いた人と、この木琴の脚をつくった人が同じなんだ〜」というマニアックな鑑賞の1日はいかがでしょうか(笑)コンサートの方は、第1部完売、第2部の方はあと10人くらいなら入れそうです!