プロフィール

1967年、風呂敷の縫製を生業とする両親のもと、京都市下京区に生まれる。

上徳寺の境内で行われていた音楽教室にて、5歳よりマリンバを始める。

同志社中学校のクラブ活動で管弦楽部に入部。「次回の定期演奏会で演奏する」と音楽室に集められみんなで聴いたベートーヴェン『交響曲第7番』の響きに心奪われ、音楽家を志す。

京都市立堀川高校音楽科を経て、1992年京都市立芸術大学大学院音楽研究科を首席で修了。同大学院賞受賞。

1991年より、マリンバのソリストとして活動する中、2005年2月、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会(指揮/井上道義)で、木琴の巨匠・平岡養一氏が初演した紙恭輔『木琴協奏曲』(1944)を平岡氏の木琴で演奏したことをきっかけに、その木琴と約600点にのぼる楽譜やマレットを譲り受けた。

以後、ゆるやかにマリンバ奏者から木琴奏者へと転向。クラシック音楽の分野で世界唯一の木琴奏者として、演奏・執筆活動を通じ木琴の復権に力を注いでいる。

常に作曲や編曲の委嘱を活発に行い、独自のレパートリーを開拓。ピアノ、ヴァイオリン、アコーディオン、箏、リコーダーを始めとする様々な楽器とのデュオ、室内楽やオーケストラとの共演など、マリンバ奏者時代からの姿勢を崩さず、多様な形態で演奏活動を展開。

木琴奏者としては、平岡養一生誕100年を記念したリサイタルの模様がNHK-BSで放送された他、人気長寿番組『徹子の部屋』(テレビ朝日)にも出演して話題となる。

CD『1935』は、『レコード芸術』誌上で特選盤に選ばれ「通崎の演奏はただちに人心をとらえる親しみやすさと同時に、聴き手におもねることなく、ひとつの凜とした気品を感じさせる」(濱田滋郎)「通崎の演奏は生き生きとして流麗、現代的なスマートさと洗練を持ち合わせていて、その結果、単なるノスタルジーでも、ましてや当時のコピーでもない、通崎自身の人柄を感じさせるオリジナリティに溢れたアルバムになっている」(那須田務)と称賛された。

2018年には、ニューヨーク州立大学オスウィゴ校の招きで渡米。同大学をはじめニューヨーク州郊外の各地で、コンサートやマスタークラスを行った。

これまでに、札幌交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、静岡交響楽団、京都市交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。

コンサートは、コンサートホールのみならず、寺や神社、図書館など公共のスペース、また保育園、幼稚園、小学校などでも精力的に行っている。

一方で、600点の着物や帯を有するアンティーク着物コレクターとしても知られ、コレクションやライフスタイルが新聞、雑誌、ラジオ、テレビで紹介される。

これまで、通崎のコレクションを中心に、通崎が選んだ古美術から現代美術、工芸品等を集めた「通崎睦美選展〜通崎好み」が、京都、東京、宮崎、大阪で開催された。

また文筆家としても、活動。これまで5冊のエッセイ集と1冊のノンフィクション作品を刊行。中でも、木琴の歴史と平岡養一の生涯を書いた『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』(講談社、2013)は高く評価され、第24回吉田秀和賞、第36回サントリー学芸賞(社会風俗部門)を受賞した。2014年より京都文化博物館別館ホールにて、本の内容を音楽で辿る「通崎睦美コンサート 今、甦る!木琴デイズ」シリーズを年に2回開催している。

これまでの新聞連載に、日本経済新聞社夕刊「プロムナード」(2015年下半期全22回)、産経新聞大阪本社版夕刊「通崎好みつれづれ」(2016-2022、全134回)など。2019~2022年には、読売新聞読書委員を務め、書評の執筆を行った。

演奏、プライヴェート・レッスン、執筆活動の他、京都の文化や、木琴の歴史、平岡養一の功績を伝える講演やセミナーも行う。

青山音楽賞「通崎睦美2夜連続マリンバコンサート」に対して(1993)、大阪文化祭賞「通崎睦美マリンバリサイタル」に対して(1998)、京都府あけぼの賞「各分野での先駆的活動で特に功績の著しい女性に授与」(2004)、藤堂音楽褒賞「京都の音楽振興を目的に、将来有望な新進音楽家に授与される」(2007)、朝日21関西スクエア賞「関西を拠点に活躍する若手に授与される」(2014)、2007年から8年間にわたり京都市社会教育委員として生涯学習振興に貢献したことが評価され、京都市教育委員会より「第67回教育功労者」として表彰された。2021年、第39回京都府文化賞功労賞受賞。

関西テレビ番組審議委員、青山音楽賞選考委員も務める。